部下を持つすべての方へ今回はご紹介したいと思います。
よく部下に対してどんな指導をしていいのか分からないとか、どんな指導をすれば伝わるのか?などの疑問を受ける機会があります。
その関係性は上司や部下の関係ではなく、先生と生徒や、チームの監督と選手など
さまざまな関係性の中で生まれてくる疑問ではないかと思います。
そして一番多いこころの『なぜ?』があるとすると、
何よりも自分自身が望んでいる方向に、部下が如何にして行動を起こしてくれるようになるのか?部下がやる気を起こしてくれるようになるのか?
ここに悩み、思考錯誤する機会があると思います。
私が普段、NLPの授業で教えている時や、悩み相談を受ける場合にも、こういった悩みは多くあります。
そこで、こういった部下への指導方法をどのようにすれば、今よりも改善できるのか?をテーマに今回はブログにしたいと思います。
なぜ部下を指導しても熱意を感じてくれないか?行動を起こさないのか?
まずは、一つ一つ明確にしていきます。
まず理解すべきは、あなたが普段取っている行動が、部下に響いていないのであれば、それは何かを変えてアプローチすべきだということです。
加えて、何かうまく行動を起こせているものがあれば、それはアプローチに成功しているということです。
これを分けて、うまくいっていることと、うまくいっていないことを分ける作業を行ってください。
そして、次になぜうまくいかないのかを少しずつ行動面を分解していきます。
よく「アメとムチ」を指導に使っている方がいます。「アメとムチ」について、よく聞く言葉ですね。人は「アメ」を欲しがり、「ムチ」を嫌います。
つまり、「アメ」とは、その人の(行動を起こすキッカケとなる)「メリット」のことで、「ムチ」とは、その人の(行動を起こすキッカケとなる)「デメリット」のことです。
「アメ」を与えれば、それを得ようとし行動を起こし、「ムチ」を与えれば、それを避けようとし避けるための行動を起こそうとします。
ここで注意しなければならないことは、「アメとムチ」を常用することによって、「アメとムチ」を段階的に上げていかなければ効果が出にくくなるということです。
子供を勉強させるために、ご褒美を与え続けることは、最初はキッカケ作りのために使ってもいいかもしれませんが、そのうち、ご褒美がなければ勉強を継続しなくなります。
そして、「アメとムチ」のレベルを上げ続けた結果どうなるか?
「アメ」がないと動かなくなる。
「ムチ」が強すぎると、次第には無気力になり、行動を起こさなくなる。
「ムチ」が強すぎることに関して、マウスを使った実験があります。それは、
マウスを使った実験で、強すぎる罰が逆効果になることが分かりました。失敗して強い電気ショックを与えられたマウスは、何もせず、じっとしているほうが安全だと判断して動かなくなったのです。つまり、指導とはいえ厳しすぎると部下はやる気を失います。
引用元:『今日から使える行動心理学』
上司からの指導如何で、部下の態度は変わってくるものだということに気を付けなければなりません。
さらに補足をすると、「アメとムチ」で行動を起こすということは、部下にとって何がキッカケなのか?ということが非常に大切です。
これは、自分の意志か?他からの要求か?ということ
人はある特定の傾向性を持っています。
その傾向性とは、人が無意識に起こす脳のプログラム化されたパターン認識です。(詳しくは、NLPマスタープラクテショナーコースを受講で学ぶことができます。)
自分の意志から行動を起こすことは、基本的にブレにくくモチベーションが上がりやすいですが、逆に他からの要求で行動することは、ブレやすくモチベーションが下がりやすいということです。
なぜなら、人が何を情報として処理しているかというと、自分自身の中でコントロールできているか?他からの要求によりコントロールしようとしているか?という大きな違いがあるからです。
ですから、自分自身でどのように動いていけばいいかを学習する必要があります。
どのように指導すれば、部下へ想いが伝わるのか?部下は行動を起こしてくれるのか?
部下を行動させるためには、何かしらの想いや言動・態度を伝えていく必要があります。
その伝え方の一例として、今回は『外発的動機づけ=ピグマリオン効果=』を活用した指導の仕方をご紹介します。
「アメとムチ」は強すぎなければ効果は高いことは間違いありません。
これをさらに活用し、部下が自発的に行動を起こすようにするためには、
まず上司が部下に対して、キッカケを作ってあげるということが必要です。
あくまで自発的に行動を起こさせるためなので、最初は「外からの要求」を与えても構いません。
ですから、普段のコミュニケーションの一環として、『常に部下を励ますことをこころがけてください。』その励ましは部下自身の自己肯定感を導き出し、自分はこれでいいんだとかのさらに安心感を抱きます。それによって組織の一員として『自分は認められているという自己成就を行ってくれる訳です。』
そうすることによって、部下は上司の期待に応えようと行動を起こしやすくなります。このことを『ピグマリオン効果』といいます。
さらに組織として常に良い言葉を掛け合うということも重要です。
『私たちならできる』とか『みんな心配しないで』、『何か問題があれば何でも気軽に言ってね』とか
とにかく誰もが安心して、相談できる体制や、問題があってもみんなで乗り越えよう!そして乗り越えられる!など、普段からすべての人が働きやすく環境を言葉で発信していくことがとても大切です。
これによって、組織の一人一人が『自己成就予言』といって、自分も大丈夫とか自分もできるかもという気風をつくり上げることができます。
このことを『ガラティア効果』と言います。
組織としてどんな方向性に向かわせたいのか?どんな雰囲気を作っていきたいかは、上司である、あなたの態度や言動の一つ一つがすべて部下に伝わっています。
何かよくないと感じているのであれば、何かを修正する必要があります。
それは長く自分の脳と慣れ親しんでいる間に気づかなくなっているのかもしれません。
職場の雰囲気が悪いと思ったときは、まず自身の態度や言動を見直してみてはいかがでしょうか?
指導の一環として、ついつい声にしやすい言葉として、『お前はダメだ』『まだそこまでしかやってないの?』『何やっても無駄だよ』という言葉や態度は、とてもネガティブでやる気を失います。
時にはそう言いたくなる気持ちも分かりますし、たまにはいいでしょうが、改めるべきはどんな態度と言動を多く使っていくか?どんな動機付けをしていくか?がとても大切です。
これは、ほんの一部の一例であり、職場の環境や、関係性にとっても大きく変わることがあるでしょう。
私がブログに紹介しているのは、基本的な指針として書いています。
そこにあった心理、そこに合ったコミュニケーションは実際に話してみないと分かりません。
ですが、何か元に帰ろうという時には、ここに書いている内容を基本として実践してみてください。
以上、今回は『アメとムチはもう古い。。厳しすぎるムチを与えずに部下をこころから行動を促していく方法とは?_『外発的動機付け=ピグマリオン効果=から学ぶ』』でした。
参考文献:今日から使える行動心理学 立正大学名誉教授 齊藤 勇さん
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